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2024-11-14 現在

smplque

FIFOキュー構造のコンテナクラス
    FIFOキュー構造のコンテナクラスです。
    template <typename T, int N, class Intr> smplbuf_local
    template <typename T, class Intr> smplbuf_attach
    template <typename T, class Intr> smplbuf_heap

    smplqueは要素の型Tメモリの確保方法allocで指定したメモリ領域に対してFIFOキューの操作を提供するコンテナクラスです。allocの指定は煩雑であるためusingを用いた別名定義が行っています。

    宣言時に割り込み禁止設定を行うクラスIntrを登録することが出来ます。このクラスは指定しない場合は、割り込み禁止制御を行わない通常の動作となります。

    オブジェクトの宣言例です。宣言の直後に初期化用のメソッド呼び出しを行います。いずれも初期化直後の最大サイズは128バイトで、初期サイズは0で何も格納されていません。最大サイズは変更できません。

    void some_func() {
    
    // 内部に固定配列
    smplque_local<uint8_t, 128> q1;
    
    // すでにある配列を利用する
    uint8_t buf[128];
    smplque_attach<uint8_t> q2;
    
    // ヒープに確保する
    smplque_heap<uint8_t> q3;
    
    void setup() {
      // グローバル定義のオブジェクトは setup() で初期化
      q1.init_local();
      q2.attach(buf, 128);
      q3.init_heap(128);
    }
    
    void some_func() {
      // ローカル定義の smplque_local は init_local() は省略できる
      smplque_local<uint8_t, 128> q_local;
      ..
    }

    FIFOキューですのでpush(),pop(),front()といったメソッドを用いて操作します。

    void begin() { // begin() は起動時1回のみ動作する
    	smplque_local<int, 32> q1;
    
    	q1.push(1);
    	q1.push(4);
    	q1.push(9);
    	q1.push(16);
    	q1.push(25);
    
    	while(!q1.empty()) {
    		Serial << int(q1.front()) << ',';
    		q1.pop();
    	}
    	// output -> 1,4,9,16,25,
    }

    イテレータによるアクセスも可能です。

    void begin() { // begin() は起動時1回のみ動作する
    	smplque_local<int, 32> q1;
    	q1.init_local();
    
    	q1.push(1);
    	q1.push(4);
    	q1.push(9);
    	q1.push(16);
    	q1.push(25);
    
    	// イテレータを利用
    	for(int x : q1) {
    		Serial << int(x) << ',';
    	}
    
    	// STLアルゴリズムの適用
    	auto&& minmax = std::minmax_element(q1.begin(), q1.end());
    	Serial <<  "min=" << int(*minmax.first)
    		     << ",max=" << int(*minmax.second);
    	// output -> 1,4,9,16,25,min=1,max=25[]
    }

    宣言・初期化

    smplbuf_local<T,N>
    smplbuf_local<T,N>::init_local()
    
    smplbuf_attach<T>
    smplbuf_attach<T>::attach(T* buf, uint16_t N)
    
    smplbuf_heap<T>
    smplbuf_heap<T>::init_heap(uint16_t N);
    
    //例
    // 内部に固定配列
    smplque_local<uint8_t, 128> q1;
    q1.init_local();
    
    // すでにある配列を利用する
    uint8_t buf[128];
    smplque_attach<uint8_t> q2;
    q2.attach(buf, 128);
    
    // ヒープに確保する
    smplque_heap<uint8_t> q3;
    q3.init_heap(128);

    TでサイズNのコンテナを宣言します。宣言後に初期化のメソッドを呼び出します。

    smplque_localは、内部に固定配列により領域を確保します。コンストラクタによる初期化も可能です。

    smplque_attachでは、使用するバッファの先頭ポインタT* bufと配列の初期サイズsizeと最大サイズNを指定します。コンストラクタによる初期化も可能です。

    smplque_heapは、HEAP領域(解放は不可能だが随時確保可能なメモリ領域)にメモリを確保します。一度確保したら開放できない領域ですので通常はグローバル領域に定義します。領域確保はinit_heap()で行います。コンストラクタによるメモリ確保はできません。必ずinit_heap()を呼び出して利用してください。

    メソッド

    push(), pop(), front(), back()

    inline void push(T&& c)
    inline void push(T& c)
    inline void pop()
    inline T& front()
    inline T& back()
    
    inline T& pop_front()

    push()はエントリをキューに追加します。

    pop()はエントリをキューから抹消します。

    front()は先頭のエントリ(一番最初に追加されたもの)を参照します。

    back()は末尾のエントリ(一番最後に追加されたもの)を参照します。

    pop_front()は先頭のエントリを戻り値として参照し、同時にそのエントリをキューから抹消します。

    empty(), size(), is_full()

    inline bool empty()
    inline bool is_full()
    inline uint16_t size()
    inline uint16_t capacity()

    empty()は配列に要素が格納されていない場合にtrueを戻します。is_full()は反対に配列サイズ一杯まで要素が格納されているときにtrueを戻します。

    size()はキューに格納されている要素数を返します。

    capacity()はキューの最大格納数を返します。

    clear()

    inline void clear()

    キューのすべての要素を抹消します。

    operator []

    inline T& operator[] (int i)

    要素にアクセスします。0が最初に追加した要素です。

    イテレータ

    inline smplque::iterator begin()
    inline smplque::iterator end()

    begin()end()によるイテレータを取得できます。イテレータの先頭はキューの最初に登録した要素です。イテレータを用いることで範囲for文やアルゴリズムが利用できます。

    応用としてaxis_xyzt構造体の特定のメンバーに注目したイテレータによるアクセスがあります。