シリアル通信アプリの透過モード
外部マイコン同士を簡単に接続できますが、書式を用いて通信を最適化するには書式モード(アスキー/バイナリ)が適しています。
概要
純粋にUARTを無線化します。
送信側の入力 | 受信側の出力 | |
---|---|---|
任意のデータ | → | 任意のデータ |
書式を必要としないため、既存の UART 通信を簡単に無線化できます。
一方で、データの区切りがあいまいになってしまうほか、受信側の出力から送信元を判別できないといった欠点があります。
初期状態では、送信トリガ文字にCRLFを指定しています。したがって、送信側へ入力されたデータをCRLFで区切り、CRLF よりも前のデータを送信します。
例えば、送信側の端末へ Hello<Enter>
と入力すると、受信側の端末はそのまま Hello
を出力します。
【送信側】
Hello <- 入力
【受信側】
Hello <- 出力
連続して入力された文字列を80バイトごとに分割して送信します。トリガ文字までのデータは通常80バイト以下としてください。
全ての端末は子機としたうえで、送信内容はブロードキャストします。すべての端末と通信できますが宛て先は指定できません。アスキー文字だけでなく、バイナリデータも送信できます。
中継は3段(3ホップ)まで対応しています。初期設定では中継しません。
親機と子機の区別
透過モードは、親機と子機を区別しません。
アプリケーションIDと周波数チャネルが同一であれば、どの端末へ入力したデータもほかの端末へと送信されます。
送信元の判別
透過モードでは、送信元を判別できません。
送信元を判別するには、送信側へ入力するデータそのものに送信元の情報を含める必要があります。
送信トリガ
送信側の入力に書式はありませんが、データはある時点で分割されたのち、パケットごとに無線で送信されます。
したがって、次に挙げる送信トリガを意識しなくてはなりません。
- データ入力後のタイムアウトを迎えたとき
- 入力データが最小データサイズを満たしたとき
- 送信トリガ文字を受け取ったとき
送信トリガの優先順位
送信トリガの設定は、インタラクティブモードのk
:送信トリガ項目から指定します。
設定例
送信トリガ文字をLF、最小データサイズを8バイト、タイムアウトを30msとする場合は次のように設定します。
m: set UART mode (D)
k: set Tx Trigger (sep=0x0a, min_bytes=8 dly=30[ms])
o: set option bits (0x00000100)