ビルド定義 Makefile
Makefileはbuild/Makefile
に格納されています。make
コマンドを実行することで、アクトをビルドするようにあらかじめ定義されています。
MWSDK 2020-04 では、プロジェクトフォルダ中の .cpp
ファイルを自動で検出するため、通常は Makefile
の修正は不要です。
ソースファイルをサブフォルダに格納するような場合は、編集が必要になります。
MWSDK 2019-12以前では、.cpp
ファイルが複数ある場合は、Makefile
の編集が必要です。
プロジェクトフォルダを他の環境からコピーしたあとには、必ずbuild/objs_???
フォルダを削除してください。他の環境での中間ファイルが残っているとmake
がエラーになります。
(MWSDK 2020-04以降) USE_APPDEPS=0
を付加して clean
してから、改めて make
コマンドを実行することでエラーを回避できます。
make USE_APPDEPS=0 TWELITE=BLUE clean
...
make TWELITE=BLUE
makeのパラメータ
TWELITE=
ビルド対象をBLUEまたはREDで指定します。TWELITE BLUEならmake TWELITE=BLUE
と指定します。
all
ビルドを実行します。通常は省略してmake TWELITE=BLUE
のように実行します。
clean
ビルドの中間ファイルを削除します。make TWELITE=BLUE clean
のように実行します。
cleanall
すべての中間ファイルを削除します。make cleanall
のように実行します。build
フォルダのobjs_???
フォルダをすべて削除するのと同じです。
USE_APPDEPS=0 または 1
1 (デフォルト) を設定すると、ファイルの依存関係をもとに、ビルドファイルを決定します。例えば、ヘッダファイルに変更があった場合に関連するソースファイルが再コンパイル対象となります。
0 では依存関係を評価しません。0 に設定した場合、矛盾ある中間ファイルが残っていても make がエラーになりません。
Makefile 定義
アクトの規模に応じて、また、ビヘイビアの定義をする場合には、通常はソースファイルを分割してビルドします。
ビルドファイルの一つはプロジェクトフォルダ名.cpp
です。
他にファイルを定義する場合は、プロジェクトフォルダのbuild/Makefile
を編集します。
下記はサンプルPAL_AMB-bihaviorでのMakefileの例です。
##############################################################################
# Copyright (C) 2019 Mono Wireless Inc. All Rights Reserved.
# Released under MW-SLA-*J,*E (MONO WIRELESS SOFTWARE LICENSE
# AGREEMENT).
##############################################################################
# USER PROJECT BUILD DEFINITION.
##############################################################################
#####################################################################
## set TWELITE model
TWELITE ?= BLUE
#TWELITE = RED
#####################################################################
## set application version (MUST SET THIS.)
VERSION_MAIN = 0
VERSION_SUB = 1
VERSION_VAR = 0
#####################################################################
## set an additional source file
## the default file name is dirname.
## for C++ files compiled with g++ (must have .cpp suffix)
APPSRC_CXX += myAppBhvParent.cpp
APPSRC_CXX += myAppBhvParent-handlers.cpp
APPSRC_CXX += myAppBhvChild.cpp
APPSRC_CXX += myAppBhvChild-handlers.cpp
## for C files compiled with gcc (must have .c suffix)
#APPSRC += my_c_file.c
## Additional Src/Include Path
# if set, find source files from given dirs.
#
APP_COMMON_SRC_DIR_ADD1 = ../Parent
APP_COMMON_SRC_DIR_ADD2 = ../Child
#APP_COMMON_SRC_DIR_ADD3 =
#APP_COMMON_SRC_DIR_ADD4 =
#####################################################################
## set misc option for compiler
## C++ flags passed to g++
# e.g. CXXFLAGS += -DMY_DEFS
#CXXFLAGS +=
## C++/C flags passed to g++/gcc
# e.g. CFLAGS += -DMY_DEFS
#CFLAGS +=
## include opts
# e.g. INCFLAGS += -I../my_common_src/
#INCFLAGS +=
## optimize flag (default is -Os, normally no need to change)
#OPTFLAG=-O2
#####################################################################
## must include mwx.mk (the makefile body part.)
MWSDK_PATH?=$(realpath $(MWSDK_ROOT))
include $(MWSDK_PATH)/MkFiles/mwx.mk
#####################################################################
VERSION_???
バージョン番号を指定します。ビルド結果ファイル名に反映されます。
## set application version (MUST SET THIS.)
VERSION_MAIN = 0
VERSION_SUB = 1
VERSION_VAR = 0
コンパイル中は -DVERSION_MAIN=0
-DVERSION_SUB=1
-DVERSION_VAR=0
のように定義として渡されます。
ソースファイルの追加
.c
.cpp
ファイルがすべて追加されます。ソースファイルを追加する際に必要なのはAPPSRC_CXX
とAPP_COMMON_SRC_DIR_ADD?
です。
APP_COMMON_SRC_DIR_ADD?
の指定が必要です。ソースファイル名をAPPSRC_CXX
に追記します。このファイル名にはフォルダ名が含まれてはいけません。サブフォルダにあるものもフォルダなしで指定します(つまり同じファイル名がサブフォルダにある場合は、ビルドが失敗します)
APPSRC_CXX += myAppBhvParent.cpp
APPSRC_CXX += myAppBhvParent-handlers.cpp
APPSRC_CXX += myAppBhvChild.cpp
APPSRC_CXX += myAppBhvChild-handlers.cpp
次にソースファイルがプロジェクトフォルダ以外の場所に格納されている場合の検索パスを指定します。最大4つまで設定できます。
APP_COMMON_SRC_DIR_ADD1 = ../Parent
APP_COMMON_SRC_DIR_ADD2 = ../Child
フォルダの指定はMakefileからの相対パスになります。
コンパイル・リンカオプション
その他にもいくつかのオプションをコンパイラ・リンカに渡すことができます。
指定 | 内容 |
---|---|
CXXFLAGS | C++ソースファイルに対してコンパイルオプションを指定します。 |
CFLAGS | C/C++ソースファイルに対してコンパイルオプションを指定します。 |
INCFLAGS | ヘッダファイルのインクルードファイルを指定します。 |
OPTFLAGS | 特別な理由があって-Os以外のコンパイルオプションを適用したい場合に定義します。 |
LDFLAGS | リンカオプションを指定します。(上記Makefileのコメントには記述はありませんが指定できます) |