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2024-05-20 現在

省電力性能について

TWELITE を電池で長期運用するには

モノをつなぐ無線マイコンモジュールとして低消費電力を実現するためには各処理の消費電流を抑えることが必要ですが、起動時間と処理時間を短縮することも非常に重要です。消費電流が小さくても処理時間が長ければ低消費電力は実現できません。

消費電力(電流)

以下は1パケットを30バイトで送信した時の標準的な消費電流です。

  • 標準出力 BLUE-ブルー
TWELITE BLUEの場合

TWELITE BLUEの場合

  • 高出力 RED-レッド
TWELITE REDの場合

TWELITE REDの場合

高出力 RED-レッドは標準出力 BLUE-ブルーに比べて送信時の消費電流が大きいですが、処理時間が短いので1パケットを送信時の消費電流は同等です。

TWELITE は低消費電流、瞬速起動、高速処理により省電力を実現しています。

消費電力例

TWELITE の消費電力を最小限にした無線タグの例です。この例ではセンサーは使用しておらず、4バイトのIDデータを内蔵タイマーで周期的に送信しています。送信相手からの受信確認(ACK)は行っていません。1パケット送信時の平均消費電流は11.6mA、処理時間は2.5msです。

  • 起床中のみ考えた平均消費電流
11.6[mA] * (2.5/1000)[ms] = 29[uA]
  • スリープ(RAMオン)時間を含めた平均消費電流
29[uA] + 1.5[uA] = 30.5[uA] = 0.0305[mA]

1秒毎に送信した場合の電池寿命はCR2032の容量を220mAhとして、

220/( 0.0305 ) = 約7213[時間] = 300[日] = 10ヶ月

下のグラフはコイン型電池(CR2032)を使用した場合の電池寿命です。30秒毎にデータを送信した場合の電池寿命は10年を超えます。

1 - 電池運用とバッファ用コンデンサ

TWELITE を小容量の電池で運用する際にはバッファ用のコンデンサを使用します

小容量の電池を使う場合、十分な電流が取れないことがあります。例えば、CR2032 の定格上の電流は 0.2mA 程度で、最大でも 2~3mA 程度しか想定していません。

例えば TWELITEで、無線パケットを送信する場合、瞬間的ですが 20mA 程度消費する事もあり、このとき電流の供給不足、電圧降下などが発生し、システムが正常動作しない事が考えられます。

これを回避するため、バッファ用のコンデンサを VCC-GND 間に接続します。(他にリセットICによる起動制御を行う必要があります)

電源が遮断された場合、電圧3.3V、平均電流が 10mA と仮定して、100uF のバッファーがあれば約10msシステムを動作できます。電源断直後からバッファーからの電流が供給され、無線モジュールが活動不能になる 2V 近傍までは無線モジュールは動作します。

間欠動作・送信時には有効な手段です。注意点として、再送などが発生した場合は送信完了までの時間が大幅に伸びます。1回の再送で数mS消費しますので、再送の回数分を加味したバッファーが必要です。

ただし受信待ちを行うような場合は連続的に大電流 (17.2mA) が消費されることになりますから、上記のようなバッファでの対処は難しく、供給能力の高い電池を利用してください。

コンデンサの容量と動作時間の目安

TWELITEシリーズのモジュールの消費電流は、電源電圧に依存しません。電流一定と言う点から、コンデンサの電荷でどの程度の稼働が見込めるか計算してみます。

静電容量 C のコンデンサに、電圧 v に相当する電荷が蓄積されている場合、一定電流 i で電圧 v から 0 まで降下する時間 tt = Cv/i となります。

電流 i3.3V から 2.1V まで降下するのに必要な時間は、C(3.3-2.1)/i となります。i=10mA, C=100uF とした場合、12ms と計算できます。計算上は 3.3Vで動作していたモジュールの電源が突然断たれた場合、平均電流が 10mA なら 12ms 稼働延長することが期待できることになります。

電流が10mAというのは、あくまでも平均値の仮定です。実際の消費電流の計測値を参照してください。