最適な出力のために、Google Chrome(15以降)または Microsoft Edge(79以降)を推奨いたします。
2025-04-01 現在省電力性能について
TWELITE を電池で長期運用するには
モノをつなぐ無線マイコンモジュールとして低消費電力を実現するためには各処理の消費電流を抑えることが必要ですが、起動時間と処理時間を短縮することも非常に重要です。消費電流が小さくても処理時間が長ければ低消費電力は実現できません。
消費電力(電流)
以下は1パケットを30バイトで送信した時の標準的な消費電流です。

TWELITE BLUEの場合

TWELITE REDの場合
高出力 RED-レッドは標準出力 BLUE-ブルーに比べて送信時の消費電流が大きいですが、処理時間が短いので1パケットを送信時の消費電流は同等です。
TWELITE は低消費電流、瞬速起動、高速処理により省電力を実現しています。
受信時の消費電流はBLUE 17.0mA
、RED 14.7mA
です。連続受信が必要な場合は常時給電または容量の大きな電池が必要です。
開発時にはセンサー等の周辺回路の消費電力も考慮してください。
出荷時にインストールされている超簡単!標準アプリは省電力設計ではありません。省電力を追求する場合はアプリを変更してください。
消費電力例
TWELITE の消費電力を最小限にした無線タグの例です。この例ではセンサーは使用しておらず、4バイトのIDデータを内蔵タイマーで周期的に送信しています。送信相手からの受信確認(ACK)は行っていません。1パケット送信時の平均消費電流は11.6mA
、処理時間は2.5ms
です。
1秒毎に送信した場合の電池寿命はCR2032の容量を220mAh
として、
下のグラフはコイン型電池(CR2032)を使用した場合の電池寿命です。30秒毎にデータを送信した場合の電池寿命は10年を超えます。

5秒以下の間隔で送信する場合は、RAMをオンにしてスリープした方が寿命が長くなります。
この計算で得られた値は概算値であり、電池の性能や使用温度等で変化します。
コイン電池(電池の詳細は電池メーカーのデータシートを参照ください)の電流供給能力では、無線モジュールを連続稼働させることはできません。コイン電池を使用する場合はスリープ込みの間欠動作を行わせてください。
詳細情報
ここでご紹介した電池寿命は参考値で実際には値よりも長い場合や短い場合があります。電池はその性能と使用条件によって寿命が変化するためです。(パルス的な負荷[一般的に寿命向上]、瞬間的な過負荷電流[寿命低下]、温度条件[高温時に寿命低下、低温時に電圧降下])詳細はご使用になる電池の特性をご確認ください。特に内部抵抗の高い電池での電圧降下にはご注意ください。
1 - 電池運用とバッファ用コンデンサ
TWELITE を小容量の電池で運用する際にはバッファ用のコンデンサを使用します
小容量の電池を使う場合、十分な電流が取れないことがあります。例えば、CR2032 の定格上の電流は 0.2mA
程度で、最大でも 2~3mA
程度しか想定していません。
例えば TWELITEで、無線パケットを送信する場合、瞬間的ですが 20mA 程度消費する事もあり、このとき電流の供給不足、電圧降下などが発生し、システムが正常動作しない事が考えられます。
これを回避するため、バッファ用のコンデンサを VCC-GND 間に接続します。(他にリセットICによる起動制御を行う必要があります)
電源が遮断された場合、電圧3.3V
、平均電流が 10mA
と仮定して、100uF
のバッファーがあれば約10ms
システムを動作できます。電源断直後からバッファーからの電流が供給され、無線モジュールが活動不能になる 2V
近傍までは無線モジュールは動作します。
間欠動作・送信時には有効な手段です。注意点として、再送などが発生した場合は送信完了までの時間が大幅に伸びます。1回の再送で数mS消費しますので、再送の回数分を加味したバッファーが必要です。
ただし受信待ちを行うような場合は連続的に大電流 (17.2mA
) が消費されることになりますから、上記のようなバッファでの対処は難しく、供給能力の高い電池を利用してください。
コンデンサの容量と動作時間の目安
TWELITEシリーズのモジュールの消費電流は、電源電圧に依存しません。電流一定と言う点から、コンデンサの電荷でどの程度の稼働が見込めるか計算してみます。
静電容量 C
のコンデンサに、電圧 v
に相当する電荷が蓄積されている場合、一定電流 i
で電圧 v
から 0
まで降下する時間 t
は t = Cv/i
となります。
電流 i
で 3.3V
から 2.1V
まで降下するのに必要な時間は、C(3.3-2.1)/i
となります。i=10mA
, C=100uF
とした場合、12ms
と計算できます。計算上は 3.3V
で動作していたモジュールの電源が突然断たれた場合、平均電流が 10mA
なら 12ms
稼働延長することが期待できることになります。
電流が10mA
というのは、あくまでも平均値の仮定です。実際の消費電流の計測値を参照してください。