電池運用とバッファ用コンデンサ
小容量の電池を使う場合、十分な電流が取れないことがあります。例えば、CR2032 の定格上の電流は 0.2mA
程度で、最大でも 2~3mA
程度しか想定していません。
例えば TWELITEで、無線パケットを送信する場合、瞬間的ですが 20mA 程度消費する事もあり、このとき電流の供給不足、電圧降下などが発生し、システムが正常動作しない事が考えられます。
これを回避するため、バッファ用のコンデンサを VCC-GND 間に接続します。(他にリセットICによる起動制御を行う必要があります)
電源が遮断された場合、電圧3.3V
、平均電流が 10mA
と仮定して、100uF
のバッファーがあれば約10ms
システムを動作できます。電源断直後からバッファーからの電流が供給され、無線モジュールが活動不能になる 2V
近傍までは無線モジュールは動作します。
間欠動作・送信時には有効な手段です。注意点として、再送などが発生した場合は送信完了までの時間が大幅に伸びます。1回の再送で数mS消費しますので、再送の回数分を加味したバッファーが必要です。
ただし受信待ちを行うような場合は連続的に大電流 (17.2mA
) が消費されることになりますから、上記のようなバッファでの対処は難しく、供給能力の高い電池を利用してください。
コンデンサの容量と動作時間の目安
TWELITEシリーズのモジュールの消費電流は、電源電圧に依存しません。電流一定と言う点から、コンデンサの電荷でどの程度の稼働が見込めるか計算してみます。
静電容量 C
のコンデンサに、電圧 v
に相当する電荷が蓄積されている場合、一定電流 i
で電圧 v
から 0
まで降下する時間 t
は t = Cv/i
となります。
電流 i
で 3.3V
から 2.1V
まで降下するのに必要な時間は、C(3.3-2.1)/i
となります。i=10mA
, C=100uF
とした場合、12ms
と計算できます。計算上は 3.3V
で動作していたモジュールの電源が突然断たれた場合、平均電流が 10mA
なら 12ms
稼働延長することが期待できることになります。
電流が
10mA
というのは、あくまでも平均値の仮定です。実際の消費電流の計測値を参照してください。