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2024-05-20 現在

IEEE802.15.4とは

IEEE802.15.4の意味
    IEEE802.15.4とはワイヤレスセンサーネットワークの構築に適した無線規格です。双方向通信が可能でセンサーからの情報を収集または端末デバイスのリモートコントロールに使用します。

    特徴

    IEEE802.15.4の特徴は以下の通りです。

    国際標準規格

    IEEE802.15.4とは米国に本部を有するIEEE(アイ・トリプルイー)により策定された標準規格です。標準であることにより1社の独自規格に依存することなく複数のベンダーから規格に基づいた製品が供給されるため安定性を確保できます。2.4GHz帯のISMバンドを使用した場合は日本国内だけでなく世界中で販売可能です。

    双方向デジタル通信

    IEEE802.15.4は2.4GHz帯の変調方式にOffset Quadrature Phase Shift Keying (O-QPSK)、拡散方式にスペクトラム拡散方式(DSSS)を採用しており妨害ノイズに強く安定したデジタル双方向通信を行えます。

    暗号化通信

    IEEE802.15.4ではインターネットバンキングやインターネットショッピングにも採用されている強力な暗号化技術128ビットAES暗号によりデータ通信のセキュリティが保たれています。

    低消費電力

    IEEE802.15.4の設計思想として消費電力を小さくしていることが挙げられます。電池交換なしで年単位の駆動や、コイン電池での駆動、光、熱、振動等から電力を得る環境発電素子(エナジーハーベスター)での駆動が可能です。これにより従来設置が困難であった場所で無線の使用が可能になります。

    低速度

    IEEE802.15.4は無線LANやBluetoothに比べ通信速度を抑えています。これはワイヤレスセンサーネットワークに最適化した通信速度(250kbps)にすることにより低消費電力と高い通信感度を実現するためです。低速度と表現していますがセンサーネットワークの構築に必要十分な速度を確保しています。

    標準プロトコル

    IEEE802.15.4は、ZigBeeアライアンスやThread GroupをはじめIETF等の多数の標準化団体によりワイヤレス通信の物理層として採用されています。IEEE802.15.4上で種々の標準通信プロトコルが実装されています。このように通信プロトコルを自由に選択できることもIEEE802.15.4の特徴の一つです。IEEE802.15.4は無線センサーネットワークに柔軟に対応できます。

    仕様

    利用周波数帯2.4GHz世界中で使用可能
    チャンネル数1616Ch同時通信可能
    変調方式Q-PQSK, DSSSノイズに強い
    伝送速度250kbpsセンサーネットワークに最適化
    消費電流(通信時)<30mA低消費電力
    暗号化AES-128ビット強力なセキュリティを使用可能
    ネットワークノード数65535大規模ネットワークに対応

    IEEE802.15.4 のデータフレーム

    以下に IEEE 802.15.4 のデータフレームで規定されたパケット構造を記載します。

    PHYヘッダ(SHR, PHR)PHYペイロード(PSDU) 最大127バイト
    OCTET411214~20n2
    内容プリアンブル
    シーケンス
    フレーム
    デリミタ
    開始位置
    フレーム長フレーム
    コントロール
    シーケンス
    番号
    アドレス
    情報
    MAC
    ペイロード
    FCS
    • IEEE802.15.4 MAC API を用いてプログラミングする際、意識する領域は、フレームコントロール・アドレス情報・データとなります。
      • シーケンス番号は MAC 層が自動で割り当てるため、ユーザが取得したり値を設定したりすることはできません。
      • LQI (Link Qualiry Indicator) 情報はパケット情報には含まれません。パケット受信時の受信回路から得られる情報です。
    • 最大パケット長は 127 OCTET (PHYペイロード: PSDU)です。
      • 一般的な通信ではアドレス情報が8 OCTETの場合(送信元、送信先ともに16bitショートアドレス)、データ領域(=MACペイロード)は最大 127 - 2(フレームコントロール) - 1(シーケンス番号) - 8(アドレス) - 2(FCS) = 114 OCTET の送信が可能です。
      • ZigBee PRO などのスタックでは、スタックが使用するヘッダもあるためユーザが使用出来るデータ領域はより小さくなります。
      • 最大パケット時の通信時間は約4.3mSです。
    • アドレス情報の構成は以下の組み合わせとなります。
      • Src(送信元) の PAN ID (2 OCTET)
      • Src(送信元) の アドレス (0: アドレス無し, 2: ショートアドレス, 8: 拡張 アドレス)
      • Dst(送信先) の PAN ID (2 OCTET)
      • Dst(送信先) の アドレス (0: アドレスなし, 2: ショートアドレス, 8: 拡張アドレス)
      • 通常は Src PAN ID, Src ショートアドレス, Dst PAN ID, Dst ショートアドレスの8 OCTETの構成です。
      • Src のアドレスだけ MAC アドレスにするような送信も可能です。この場合は、Src PAN ID, Src MACアドレス, Dst PAN ID, Dst ショートアドレスの合計14 OCTETとなります。
    アドレッシングモードアドレス領域
    送信元、送信先アドレス無し(PAN IDのみ)4
    118
    送信元、送信先16ビットショートアドレス使用8
    114
    送信元、送信先64ビット拡張アドレス使用20
    102

    アドレッシングモードは上記以外の組み合わせも可能です。

    IEEE802.15.4gとは

    IEEE802.15.4gとはスマートメーターの通信を目的とした通信方式の一つです。IEEE802.15.4gで使用できる周波数は国ごとに異なり日本では920MHz帯の物理層(PHY)を用いることができます。MAC層もIEEE802.15.4eで規格化を進めています。両者共にIEEE802.15.4との互換性はありません。日本ではIEEE802.15.4gを主にガスメーターの自動検針を実現するための規格として期待されています。

    IEEE802.15.4kとは

    IEEE802.15.4kとはスマートグリッドの通信を目的とした通信方式の一つです。IEEE802.15.4kはLow Energy Critical Infrastructure Monitoring (LECIM)と呼ばれており、低速で長距離を確実に通信することを目指しています。

    モノをつなぐ無線マイコン TWELITE-トワイライト

    リモコンで何かを操作したいとか何かを監視したいことは日常に数多くあると思います。離れたモノの状態を知りたい場合や離れたモノを操作したい場合には無線が適しています。しかし、モノを無線化する場合には電池寿命、通信距離、同時通信数、大きさ等の様々な制約があり従来の無線では実現が困難でした。 そこでモノをつなぐための無線が誕生しました。

    弊社はワイヤレスセンサーネットワークの構築に最適なモノをつなぐIEEE802.15.4に準拠した無線マイコン TWELITE-トワイライトをご提供しており、お客様のワイヤレスセンサーネットワーク関連機器の通信機能開発の簡素化と早期市場投入のお手伝いをいたします。

    無線を使って各種センサーの情報を無線で収集するための装置や、各種リモコンを作成したいが、ハードルが高すぎるという方に無線機能を手軽にご使用いただくことを目的としています。TWELITE DIP-トワイライトディップを使用して手軽に無線機能を手に入れることができます。

    ホビーや学習用途から各種試作や小ロット量産まで対応し幅広いユーザーにご使用いただけます。

    ワイヤレスセンサーネットワークの評価開発(IEEE802.15.4準拠)

    弊社では、ワイヤレスセンサーネットワークに応用可能な各種センサー情報を無線でモニターしたり、通信品質測定を行うための開発ツール類もご用意しております。